キックボクサー 空手家との筋肉等の違い、最強の男子・女子は
素人的にはキックボクシングと言えば、空手やムエタイも大体似たようにイメージするのではないでしょうか。
ここでは空手黒帯で格闘技通の筆者がキックボクシングに関して、空手やムエタイとの違い(筋肉等)や最強の男子・女子についてを取り上げていきたいと思います。
◇◇◇もくじ◇◇◇
キックボクシングと空手やムエタイ
キックボクシングと空手の違い
まず、空手との違いなどを紹介しましょう。
空手の場合、ルールによって顔面攻撃が無かったり、実際に当てないようなポイント制だったりしますが、キックボクシングの場合、まず顔面攻撃が無い事はあり得ません。
キック・パンチのみならず、組み合った時の顔面への鋭利な肘、膝と言う攻撃まで認められています。
ここら辺が、いわゆるキックボクシングやムエタイが立ち技最強と言われるゆえんです。
離れた状態からのパンチとキック、逆に接近戦での強烈な肘と膝があり、立った状態ではルールの制限が殆ど無いと言えるでしょう。
雄一制限と言えるのは、柔道のように腰に相手を乗せて投げるような投げ技ですが、ムエタイやキックボクシングでも、タイ語で『リヤン』と言い、相手をいなすような感じでこけさせる事は可能です。
要は柔道やレスリングのように明かな形で投げることが反則なのです。
キックボクシングとムエタイの違い
まず、ムエタイについてよくわからない読者の方に説明致します。
まず、ムエタイとはタイ語で『ムエイ・タイ』といい、ムエイとは格闘技のことで、タイ語では後ろから修飾しますので、タイの格闘技という意味になります。
ムエタイはタイの公営ギャンブルであり、そこではまだ小さな子供から、大人の一流選手までが賭けの対象となり、強さを競いあっています。
ムエタイは、日本のキックボクシングのように派手なKOが多いと言うことはありません。
これは何故かと申しますと、非常に実力が近い相手を選ぶのでKOシーンが少なくなるのと、KOするよりも判定で決着を付ける事が多いためです。
KOを狙いに行くと、こちらも倒される可能性が高くなるので、判定に持ち込まれるような試合運びで、賭けた人達が試合後に激しく言い争い賭けている光景がタイでは見られます。
では、
キックボクシングとは一体なんなのか?
と言いますと、これは、ムエタイを元に日本人が作った格闘技なのです。
ムエタイに対抗する為に作った為に、当初は打倒ムエタイが目標で、タイに住みこんで試合をこなす人達も多くいました。
一時期は、70年代の日本でもキックボクシングブームが巻き起こりました。
キックボクシングブームが過ぎて、格闘技がメジャーで無い時代は一部の格闘技好きしか脚光を浴びませんでした。
しかし、最近はK-1ブームもあり、また脚光を浴びて、渋谷などの若者でもキックボクシングをやっている若者がいます。
ムエタイは、肘で顔面攻撃が無かったりあったり、ルールを変えて試合が行われる事が多いです。
日本であるジムもタイ人が教えている場合以外はキックボクシングが殆どです。
先程、判定の話もしましたが、タイではパンチはKOしない限りは判定で有利に働く事が無いので、蹴り主体の選手が多くなります。
キックボクシングの場合はKOを狙う選手や逆にパンチのファイターも多くなります。
それぞれの体や筋肉
空手では流派によっては柔道などを取り入れ、投げや寝技までありますが、ムエタイにこれらの技は存在しません。
ですので、たまに強いムエタイ選手が異種格闘技で投げられる場面もありますが、これはルールの違いによるものです。
しかし、細く見えるムエタイ選手でも体幹が強いので、組んで投げようとしても膝蹴りの連打で投げる前にKOしてしまうこともあります。
キックボクサーやムエタイは空手と違い細く見える事が多いですが、これは体重制限もあるので、無駄な肉を削ぎ落しているからです。
ですから、筋肉の量が同じでもキックボクサーやムエタイの方が軽いケースは多くなります。
では、軽いとどうなるのでしょうか。
無駄な肉があれば、基本的には動きのキレは鈍くなり、パンチや蹴りの繰り出す速度は下がってしまいますし、敵の攻撃が当たり易くなってしまいます。
ただ、威力が下がるかどうかはわかりません。
たとえ無駄なぜい肉が付いていても、体重が上手く威力に上乗せできれば、威力は上がるからです。
また、打撃に対しての耐性が上がります。
さらに、空手の場合は寝技や投げ技のある流派であれば、体重が重いのは有利になります。
これも、空手よりもキックボクサーやムエタイの方が締まった人が多い理由ですね。
キックボクシングの歴代最強の選手は?
では、これまでで最強と言える選手たちは誰なのでしょうか。
全体における史上最強はセーム・シュルトだと思います。
あまりにも射程が長いために、対戦相手の射程外から攻撃し、手も足も出させないままにKOしてしまうシーンが何度もありました。
しかしながら見ていて反則にも思えるような戦い方で、顔も微妙だったのもあって史上最強の呼び声が高い割にあまり人気がありませんでした。
中には、
「K1を終わらせたのはシュルトだ」
という人もいます。
これはさすがに可哀想になってきますね。
日本では、K-1中量級の魔裟斗が最強だったでしょう。
海外では中量級ではブアカーオが強かったですが、全盛期の魔裟斗には及ばないと思います。
重い階級では、日本ではキックボクサーでは無く元々は空手の選手ですが佐竹雅明でしょう。
海外では、セーム・シュルトを除いたらアーネスト・ホーストやブランコ・シカティックなどです。
アーネスト・ホーストはK1でも何度も優勝しています。
ちなみに少しマニアックになりますが、ミドル級の最強の選手はタイ人のチャンプア・ゲッソンリットといい、左ミドルキックが強烈で相手を吹っ飛ばすほどの威力がありました。
173cm73kgしかないですが、190cm100kgを超えるような遙かに大きい外国人選手と日本で戦い、KOの山を築きました。
非常に打たれ強く、ホーストとの戦いでも何発打たれても引かずに戦いました。
その闘う姿は日本のファンに夢を与えました。
「小さくてもこんなに戦えるんだ。なら俺たち非力で小さい日本人でもできるはずだ」
と。
当時の格闘技ブームはまだ、今より一般化しておらず今のように放映もされないので、マイナーなものでした。
しかし、社会がそういう状況でしたので、今の様にルックス重視の選手より、泥臭い根性で戦うような選手が称賛されていました。
女子選手の最強
女子の場合は、現代だとキックボクシングと同系列の格闘技であるシュートボクシングの選手、RENA(レーナ)が最強ではないかと思います。
身長160cm体重50kg程度と平均的な女子のような体格にも拘わらず、まるで超人的な強さを誇ります。
レーナは女子高生の時から強くて、ルックス的にも良いので話題になっていましたが、そのまま実力をさらに伸ばしてきた感じです。
そのライバルとして君臨しているのが、クリスティーナ・ジャルジェビックになります。
しかし少し前の時代だと、ルシア・ライカというオランダのとんでもない人がいます。
当時は女子格闘技はもっとマイナーであり、女子格闘技にアイドルの様な扱いはありませんでした。
今よりも更に真の実力のみが重視された時代でした。
その中でも彼女はスレンダーな体型ではありルックスも良いのですが、男のような動きで、正に化け物のような強さでKOの山を築きました。
なんと、男性キックボクサーと対戦するほどです。
KOされてしまいましたが、まあさすがに無理がありましたね(笑)
キックボクシングは強烈な威力を秘めた格闘技ですが、趣味としてやる分には危険でも無く楽しい格闘技ですので、是非、やってみてください。