ハロウィンの海外事情:国別の過ごし方、起源の古代ケルトの祭とは
家をカボチャやハロウィングッズで飾って、仮装して、「トリック・オア・トリート!」の掛け声と共にパーティーを楽しむ。
日本でもそんな光景をよく目にするようになりましたね。
10月にもなると、大人向けの仮装パーティーが大々的に開かれたり、子供たち用のハロウィンイベントも至る所で開催されたりします。
しかし本当の「ハロウィン」は、ただ仮装してパーティーするためのものではありません。
ここでは、ハロウィンの海外事情について、国別の過ごし方や起源等を取り上げてみたいと思います。
◇◇◇もくじ◇◇◇
ハロウィンはアメリカが発祥の国ではない?
日本でも大々的にハロウィンがお祝いされるようになりましたが、その方法はというと、完全なるアメリカ式。
仮装して、お菓子を貰って、、、ちょっぴり不気味な楽しいパーティーといった感じですよね。
アメリカから入ってきた、この楽しいハロウィン文化に感化された若者が多いせいか、「ハロウィンはアメリカのもの」と思い込んでいる人はかなりいます。
しかし、それは違います!
ハロウィンの起源は2000年以上も遡ることが出来るほど、歴史的なものなのです。
さて、そのハロウィンの起源はズバリ、古代ケルト文明にあります。
そしてその文明の中で魔術を使っていたと言われる古代ケルト人の宗教団、ドルゥイド教のサウィン祭が元になっていると言われているのです。
このサウィン祭とは、秋の収穫を祝い、悪霊を退散させるお祭り。
ドルゥイド教では、10月31日には死者の霊が家族に会いに来る日(日本で言うところのお盆の感覚)なので、それに向けてしっかりと作物の収穫をして祖先を出迎え、同時に、祖先と共にやってくる悪霊たちが悪さをしないよう、立ち退かせるためにこのお祭りを催していたのです。
ドルゥイド教にとっては、とても宗教的な意味合いの強いお祭り(儀式)でした。
やがて、古代ケルト文明は紀元前に衰退しましたが、その伝統は残ったのです。
サウィン祭とハロウィン
サウィン祭の方法を踏襲している国
ヨーロッパのほとんどの国は、アメリカ式のハロウィンのお祝いをしません。
それよりも死者を弔い、実り多い収穫に感謝するという、サウィン祭のあり方をそのまま引き継いでいるところがほとんどです。
ですからお祝い自体やるところはほとんどなく、10月31日、もしくは11月1日に祖先の墓に詣でるということを伝統的に行っているようです。
サウィン祭が今なお世界中で祝われている訳
しかしドルゥイド教は古代ケルト文明の衰退と共に廃れてしまったはずなのに、なぜサウィン祭だけは廃れることなく、形を変えてハロウィンとして盛大に祝われるまでになったのだろうか。
こんな疑問が、ふと頭を過った方もいるでしょう。
ドルゥイド教自体はキリスト教が勢力を拡大した祭に吸収されてなくなっています。
しかしその際に、
ドルゥイド教が大切にしていたサウィン祭の伝統は残され、そのままキリスト教(カトリック)によって引き継がれた
のです。
10月31日というのが、カトリックの祝日にもなっている聖者の日(11月1日)の前日だったこともあって、10月31日を「聖者の日の前夜」と呼ぶことにしたのです。
英語表記では、All Hallows’ Eve 。
これが訛って、「ハロウィン」となったんだそうです。
そしてキリスト教に吸収されたことで、本来の姿が大きく変えられて現在のように祝われるようになった、というわけですね。
国別ハロウィンの過ごし方
・イギリス
イギリスでは、ハロウィンはお祝いしませんが、11月5日に行われる「ガイ・フォークス祭」を盛大に祝い、これがハロウィンの代わりにもなっていると言われています。
・フランス
フランスでは、ハロウィンを盛大にはお祝いしませんが、地域によってハロウィンを「魔女のお祭り」としてお祝いしたりします。
・ロシア
ロシアでは、ハロウィンはお祝いしません。それどころか、子供に悪影響を及ぼすという理由から、宗教(ロシア正教)で禁じられています。
・アメリカ
家を不気味にデコレーションして、仮装して、お菓子をもらうという、楽しいハロウィンを展開。ハロウィンパーティーも至る所で開催されます。
・日本
アメリカのハロウィン文化に則って、ハロウィンを楽しむ風潮が広がっています。
アメリカのハロウィン文化
日本で楽しまれているハロウィン文化は、アメリカから入ってきたものですね。
そもそもアメリカで、これほどまでにハロウィン文化が盛り上がるようになったのはなぜなのでしょうか。
考えられる理由は、
・商業広告の影響
・セレブの影響
・子供が気軽に参加出来るお祭りだから
・子供だけではなく、大人も真剣に楽しめるイベントだから
といったところ。
やはり最初は、商戦の影響があって、ハロウィン文化が始まったと言われています。
今では、仮装コンテスト、お菓子コンテスト、不気味な家コンテストなど様々なコンテストも開催されるため、1回のハロウィンに費やす金額が10万円をくだらないという家庭も多いとか!
確かに、コスチュームやお菓子、飾り物など、こだわったらキリがありません。
しかし、1回のハロウィンに10万円を費やすとは。。。
まだまだ日本のハロウィンとは規模が違います。
最後に
ハロウィンと言うと、華やかな仮装パーティーのイメージがあるかもしれませんが、それだけではないのです。
大元は、死者を弔い、収穫を祝して開かれるお祭りだったのです。
ありきたりな魔女やヴァンパイアなどの仮装も素敵ですが、原点に戻って、「実り多い収穫」をイメージしたコスチュームに身を包んでみるのも、味があって素敵ですよ!