ギリシャが経済危機に陥ったのはギリシャ人の怠け者な性格が原因？
ギリシャが国の存続に関わるような
経済危機に陥っています。
現在は一応はひと段落しているのですが、
とは言え事態が改善に向かっているとは全く言い難い状況です。
にしても、ギリシャが
このようになってしまったのは
果たしてギリシャ人の怠け者な性格が問題なのでしょうか。
ギリシャ人の性格が怠け者な理由
「ギリシャが経済危機に陥ったのは、ギリシャ人が怠け者だからだ」
と方々で言われています。
それにはもちろん理由があります。
①シエスタを取る
シエスタとは昼寝のことです。
ギリシャではシエスタは習慣であり、
勤務中であっても２時間程度の昼寝をするのが普通なのです。
②早期退職者が多い
ギリシャのサラリーマンは60歳までにその70～80％が退職します。
日本は60歳が一つの区切りとなっていますが、
ギリシャでは50歳を超えた辺りから
多くの退職者が出始めます。
これは退職しても年金がしっかりと出るからです。
③仕事能率が悪い
これははっきりとした
証拠があるわけではないのですが、
よく指摘されます。
その一つの理由として考えられるのは、
ギリシャは労働人口の約25％が公務員であることです。
公務員というのはやはり
個人個人が直接的な競争に晒されていないために
民間と比べると生産性が低くなる傾向にあります。
ただこの理由だと、ギリシャ国民自体が
怠け者な性格というよりも
社会システムとして問題があることにはなりますが。
社会保障が充実し過ぎ？
にも拘わらず、ギリシャでは
年金等の社会保障が充実しているのです。
要するに、政府の支出が収入を
上回っているということです。
そうなると政府はお金が足りないので、
本来はまず増税するのが筋なのですが
ギリシャの場合は他国から
お金を借りることを考えました。
まあEUという関係にあったからこそ
なところもあるのですが、
甘えてしまったんでしょうね。
この現状に加えて、
上に挙げた三つがギリシャ人の特徴となったら
他国（特にEU加盟国）からしてみたら
「ふざけた国だ」
という印象になってもしょうがないでしょう。
伝統はあるのですが・・・
「ギリシャ人は怠け者」に対しての反論
このように、ギリシャ人の印象は
全く良くありませんが、これに対して反論もあります。
実はギリシャ人は、労働時間だけでみたら
ＯＥＣＤの２０１３年の調査で
年間世界第２位となっています。
日刊現代の記事にはこのように書かれています。
「ギリシャ人が怠け者というのは、勝手な思い込みです。ＯＥＣＤの２０１３年の調査では、ギリシャ人の年間労働時間は、２０３７時間と世界２位。１位は２２３７時間のメキシコ。日本は１７３５時間で１６位でした。この調査結果を疑った英ＢＢＣ Ｎｅｗｓ Ｍａｇａｚｉｎｅが、フルタイムやパートなどさまざまな切り口で統計を見直したのですが、やはりギリシャの長時間労働は事実でした。賃金の水準が低いため１つの仕事だけでは生活ができず、２つ、３つと仕事を掛け持ちしている人が多い。労働時間が長いという統計は、ギリシャ人の間で浸透している。だから“怠け者”と決めつけるドイツに対して猛烈に反発しています」
引用元：日刊現代デジタル記事
疑って追跡調査をしたら、
やはり事実だった。
ということですから、
信憑性はあると言えるのではないかと思います。
結局は、やはり印象が悪いがために
事実以上に悪く言われている
ところもあるのだと思います。
結局何が悪いのか
もちろん、現在のような
国の存続が危ぶまれるような状況に
いきなりなるはずがありません。
徐々に徐々に、借金が膨らんでいったのです。
歴代のギリシャ政府は、財政状況が
非常に悪いということを知っていながら
今までそれを隠し続け、対策を取りませんでした。
その結果財政赤字はどんどん膨らんでいったのです。
何故黙っていたかと言えば、
責任を背負いたくなかったからでしょう。
民意にとって耳障りの良いことを言っておけば、
結局自分たちの支持を集めることにも繋がりますしね。
とは言え、
政府の性格はその国の国民の性格の反映
と言える部分はあります。
ですからこれもギリシャ人の性格と言ってしまえば、
ギリシャ人が実際に怠け者であろうと
そうでなかろうと、結局自分たちが
招いたことには違いないのですが・・・。
