デカフェの意味や効果・効能とは。妊娠中だと健康被害の危険がある?
最近、デカフェという種類のお茶やコーヒーが店頭に並ぶことが多くなってきましたね。
ここではこのデカフェとは一体どんなものなのかについて、わかり易くまとめてみました。
◇◇◇もくじ◇◇◇
デカフェの意味
デカフェとは、「decaffeinated(ディカフェイネッド)」の略になります。
deを除いたcaffeinate(カフェイネイト)とはcaffein(カフェイン)の動詞形で、
「~をカフェインにする」
という意味になります。
単語の後ろにnate(ネイト)と付くのは、ほとんど動詞の形になりますね。
あまり英語に詳しくない人だと、単語の後ろにedが付くと過去形だと思うかも知れませんが、後ろのedは形容詞系の場合にも付けられます。
ですから、caffeinatedはその形容詞系で
「カフェインにされた~」
という意味になります。
そしてdeというのは打消しの意味なので、
decaffeinatedは「カフェイン抜きにされた~」
という意味になります。
このように、付属するアルファベットの意味を理解していれば、その単語の意味をかなり推測し易くなりますね。
ノンカフェインとの意味の違い
恐らく、以下のような疑問を感じていた人は少なくないのではないでしょうか。
そう、
noncaffein(ノンカフェイン)
と何が違うのか。
ノンカフェインの方が言葉としては広く知れ渡っているのですが、こちらとほぼ同じ意味になのであれば、「わざわざ別の呼び方をしてるだけなのかな?」とも思われるかも知れません。
では実際はどうなのかというと、「noncaffein」はcaffeinという名詞の頭にnonという打消しを意味するアルファベット加えた単語。
ですから、「カフェインの入っていないもの」的な意味です。
一方で「decaffeinated」は、
「カフェイン抜きにされた~」
でしたね。
ですから、やはり指すものは同じなのです。
であれば、なぜ最近になってデカフェという呼び方がよくされるようになってきたかと言えば、それはただの流行りであると考えて良いと思います。
また、販売者側がこちらの方が消費者の興味を惹き付けることができると判断したのもあるでしょう。
とりあえず、そんなわけで両者の意味は同じと考えて大丈夫です。
デカフェの効果・効能
カフェインには、いくつかの健康への良い効果・効能があると言われる一方で、逆にデメリット、つまり悪影響もあると考えられています。
しかし、カフェインはコーヒーやお茶等に含まれています。
コーヒーやお茶というのは、栄養がどうとか以前に味そのものに対して魅力を感じる人も多いですよね。
しかも、実のところコーヒーやお茶にはカフェイン以外にも期待できる効果や効能のある成分がたくさん含まれています。
そこで登場したのが、デカフェ(ノンカフェイン)なのです。
では、コーヒーやお茶にはどんな身体に良い成分が含まれているのでしょうか。
ポリフェノールの作用
これは抗酸化作用があると言われている成分になります。
抗酸化作用とは、身体の酸化―つまり肉体や脳の働きの低下、といった老化現象を妨げる作用のことです。
具体的には、老化は活性酸素という体内の物質が増え過ぎることによって引き起こされるのですが、その増え過ぎた活性酸素を減少させる働きをするのです。
その結果、肌が若々しくなってシミやシワが減ってきたり、肉体に昔のような力が戻ってきたり、最近物忘れが激しいとかなかなか頭が回らなくなったと感じていた状態が解消されたりします。
このうち肉体と脳の活性化については、カフェインと効果が被りますね。
ポリフェノールには様々な種類があるのですが、
- お茶に含まれるカテキン
- コーヒーに含まれるクロロゲン酸類
といった物質が、ポリフェノールに当たります。
これらはそれぞれ全てのお茶やコーヒーに含まれているので、どんなデカフェのコーヒーやお茶でも問題ないのです。
また、この二つの成分はお茶とコーヒーの主成分でもあるのですが、それぞれに特徴があります。
お茶に含まれるカテキン
カテキンには抗酸化作用の他にも、殺菌作用・悪玉コレステロールの増加を防ぐ・コレステロール値を下げる等の効果があると言われています。
殺菌作用というのは、体外から摂り入れられる、あるいは体内に存在する毒素を無効化する効果のことで、たとえば腹痛を引き起こす食中毒の菌や、口内の虫歯菌や口臭の元となる菌等がそれに当たります。
ちなみに、カテキンが特に多く含まれるのは緑茶になります。
コーヒーに含まれるクロロゲン酸類
クロロゲン酸類にはダイエット効果があると言われているのですが、その理由はクロロゲン酸類が糖分を分解する役割を担っている酵素の働きにブレーキを掛けるからです。
それによって、糖分が分解され切る前に体外に排出されることとなり、余分な脂肪分を溜めずに済むというわけですね。
また、すでにある脂肪を燃焼する効果もあるとされています。
それ以外でも
- 胃液の分泌の活性化
- 糖尿病予防
- 血糖値の上昇を抑える
等の効果が挙げられます。
テアニン(お茶に含有)
こちらはお茶に含まれる成分になります。
神経を鎮静化させる作用があり、リラックス効果をもたらします。
お茶はカフェイン量の割にコーヒーほどその覚醒効果を感じることはありませんが、それはこのテアニンが含まれているからです。
トリゴネリン(コーヒーに含有)
こちらはコーヒーに含まれる成分になります。
脳の衰退を防ぎ、アルツハイマーの予防にも効果があると言われています。
妊娠中だと健康被害の危険がある?
たとえカフェインが入っていないデカフェであっても、コーヒーやお茶には十分に身体に良い成分が含まれていることがお分かり頂けたと思います。
カフェインが苦手で飲むといつも体調を悪くしてしまう人や、あるいは妊娠中の方にとってこれはかなりの朗報だと思われるのではないでしょうか。
しかしながら、実のところそうとは言えなかったりもします。
その理由は、コーヒーとお茶それぞれに含まれる主要成分であるクロロゲン酸類、カテキンにも副作用があるからです。
クロロゲン酸類の副作用
お茶は大丈夫だけど、コーヒーは飲むといつもお腹を壊すという人がいます。
この原因こそがまさにクロロゲン酸類なのです。この成分は胃液の分泌を活性化するのですが、胃液は胃が空の状態で分泌されると胃に対して負担を掛けてしまいます。それが腹痛を引き起こすのです。
また、飲み過ぎるとミネラルの吸収を妨げるようになるとも言われています。
カテキンの副作用
カテキンについても同様で、胎児の形成にとってとても重要な役割を担うビタミンB群の「葉酸」という水溶性ビタミンの吸収を妨げる作用があると言われています。
また、カテキンはタンニンという物質がセットとなっているのですが、このタンニンには鉄に引き寄せられるという性質があります。タンニンは体内で鉄に引き寄せられ、やがてくっ付くのですが、そうなるとその鉄分は吸収されなくなってしまいます。
妊娠中~授乳期というのは鉄分が特に必要な時期なので、この時期に鉄分不足、あるいは貧血になってしまうのは大きな問題と言えますね。
ですから、もし仮にカテキンを多く摂取するのであれば必ずその分の葉酸と鉄分は補給しなければならないということですね。
最後に
コーヒーやお茶というのは、たとえカフェインが抜かれたデカフェであっても、十分に健康効果が期待できることがわかりましたね。
しかしながら一方で、潜在的な危険性が存在しているのもまた事実です。
クロロゲン酸類の副作用はまだマシですが、カテキンの副作用は妊娠中にはけっこう重く感じますね。
もちろん個人差もありますし、そこまで妊娠中のデカフェのお茶を問題視している人も多くはないので、もしかしたらそれほど危険と呼べるほどのものではないかも知れませんが、それでも妊婦さんであれば飲まない方が良いと思います。
どうしても飲みたいのであれば、必ず栄養が不足したり健康を害さないのに気を配るようにするべきでしょう。