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カースト制度のダリットが就ける職業は劣悪。廃止後も根強い差別意識

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ヒンズー教の大きな特徴の
一つである身分制度・カースト

この制度は1950年に制定された
インド憲法の17条によって
公式には廃止されたのですが、
問題は現在でも根強く残っています。

 

カースト制度の身分の仕組み

カースト制度は、まずヴァルナ
と呼ばれる四つの身分である

バラモン・クシャトリヤ・ヴァイシャ・シュードラ

に分けられます。

これは有名ですよね。

タージマハルsinpi

 

しかしながら、実は
このヴァルナに属さない身分も存在します。

それがアチュート

翻訳では「不可触賎民(アンタッチャブル)」

そしてアチュートに属する人達は
自分達のことをダリットと呼びます。

ダリットとは、「壊された民 (Broken People)」の意味。

彼らは
「不可触賎民(アンタッチャブル)」
という名前の通り、
「触れると汚れる人間」
だから関わることはもちろんしない。

それどころか、

見ることも

近付くことも

声を聴くことすら

してはいけないとされる立場なのです。

まさしく、「壊された民」と言えますね。

 

それぞれの身分に許された職業

では、それぞれの身分に許された職業とは。

バラモン:神聖な職に就いたり、儀式を行う「司祭」等

クシャトリヤ:政治力・武力を持つ「王族」「貴族」「戦士」等

ヴァイシャ:製造業に就ける「市民」

シュードラ(スードラ):上位三つの身分がやらないような、人の嫌がる仕事を一手に引き受ける(奴隷に近い立場)

ただし、シュードラに関しては
時代と共に人権が尊重されるようになり、
ヴァイシャに近い仕事に
就くことも可能となり、後に「労働者」
と呼ばれるようになっていきます。

ところが、ダリットについては
もはや眼中にすらありませんでした。

完全に見放されていて、
彼らは不可触民として
独立した存在となっていたのです。

事実上の「奴隷」以下の
身分だったわけですから、
職業がどうとかそういう
問題ですらなかったわけですね。

生きていくことすら
やっとのような状況だったのです。

 

インド人の性格等特徴が驚異的?発音に訛りも英語は得意

 

インド憲法の制定後のダリット

それでも1950年、
インド憲法17条によって、
ダリットに対して

アチュート(不可触賎民)
という差別用語と差別自体の禁止

が定められてから、
状況はかなり変化しました。

つまり、アチュートという
言葉を使用した時点で
法律違反となるわけですから、
これは彼らにとって大躍進となったでしょう。

 

ところが、現在でも
差別はなくなっていません。

確かにカースト制自体による差別は、
全体としては確実になくなりつつあり、
現在では自分のカーストが何なのか
知らない人もいるくらい
意識されなくなってきてはいます。

さらにはダリットに対して
公共機関・施設では
一定割合(約25%)にて
優先的に雇用機会を与えたり、
社会は明らかに差別を撤廃する
流れになっています。

まあ逆にそうしなければ
国として経済成長が
なかなか見込めませんから、
当然と言えば当然だろうと思いますが。

しかしながら一部の人々や
農村部の間ではまだ明らかにあって、
特にダリットの人達に対しての
差別意識は大変根強いのです。

 

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ダリットに対しての差別の現状

正直なところ、
ダリットに対しての差別は
現在でも深刻な問題となっています。

社会的には撤廃の流れであっても、
人々の意識の中では全くそうではないのです。

そうなると、社会的な差別撤廃の流れが、
逆に差別意識を高めてしまうことにもなります。

現在でも民間ではダリットの就職は
非常に不利な立場となっていて、
多くは低賃金の単純労働を強いられている状況。

あるいは、

サンダルの禁止

トイレなどの公共施設の使用禁止

亡くなった後の埋める場所の特定

特に女性に対しての差別は酷く、
低賃金で大変な重労働をさせた挙句、
性行為の強要をする。

等。

《参考》www.npo-wakayama.or.jp

 

しかしながらこれらの側面は、
まだまだ問題の本質ではありません。

実はアチュートの女性には
性行為未経験者がいないという噂があります。

これはどういうことかというと、

アチュートの女性は子供の頃に犯されてしまう

らしいのです。

警察もそれを見て見ぬ振りをすることから、
法律があってないような状態になっているようです。

警察も同じように
差別意識を持っているだけでなく
行動に反映させている状態ですから、
事がどれだけ深刻なのかわかりますね。

インドは現在、人身売買が
もっとも盛んな国とされていますが、
そのうちの大半がダリットの女性達
であることは間違いないでしょう。

 

最後に

ダリットの人口
インド人全体の16.6%であり、
約2億人となっています。

ですからダリットに対しての立場を
もう少し尊重するようにしないと、
インドという国が今よりも
経済的に成長していくことは
難しいのではないかと思います。

もしかしたら人身売買が
良い商売になっているのかも知れませんが、
それは完全に人道に反する行為ですし、
そんな儲け方を主流にしているうちは
インドもろくでもない国でしかない
という評価をせざるを得ませんね。

 

一方でダリットの人達の一部は、
現在も差別をなくそうと必死に活動しているようです。

とはいえ差別主義者にとっては
これがまた鼻に付くわけで、
逆に差別を助長する懸念もあります。

しかし彼らの活動が世界に響けば、
インドもさらに差別に対しての取り締まりを
強化せざるを得なくなるかも知れません。

ですから、決して諦めず、
多少のリスクがあっても
戦いを続けて欲しいというのが
個人的な想いではありますね。

何もしなければ、現状は変わらないのですから。

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